M&A仲介業者の利益相反問題

目次

M&A仲介業者を雇うケースが一般的といわれる、中小・中堅企業のM&A。売り手の不利益として、利益相反が問題視されることもあるようです。このページでは、M&A仲介業者による利益相反取引についてまとめています。

そもそも利益相反とは

一般的には、一方の利益と同時に他方への不利益になる行為のことをいいますが、会社法では「会社が取締役の債務を連帯保証する場合や、取締役が自己又は第三者のために会社と取引をする場合など、取締役と会社との利害が相反する取引」のことを利益相反取引としています。

なぜ利益相反が問題視されるのか

利益相反が問題視されるのは、信頼を損なう不適切な状態を引き起こすからです。また、一定の利益相反行為に対しては、違法なものとして扱われることもあります。

例えば、株式会社では、代表取締役に大きな権限が与えられているため、自己の利益を図るために背信行為を行おうとすれば、不正に自分に利益を流すことができてしまう。

そのような行為を抑止するために、取締役会の承認など、あらかじめ利益相反行為に対する規制が設けられています

買い手と売り手の双方と契約することになる

M&A仲介の場合は、買い手と売り手の双方と契約し、どちらにも助言を行い、双方から対価を得ます。その際に、買い手はなるべく安くと考え、売り手はなるべく高く売却したいと考えます

そして、M&Aに関する助言を行う場合、買い手と売り手の双方の有利になる助言は理論的にできず、M&A仲介の業務は利益相反と指摘されています。

M&A仲介に依頼するメリットとデメリット

利益相反の懸念があるため上場会社の取引においては、基本的に仲介会社ではなくアドバイザリー会社を選ぶ傾向にあります。

しかし一方で、仲介会社に依頼するメリットもあります。例えば、非上場の会社において、売却条件よりも素早い売却成功を望むケースです。

仲介会社においては、売り手と買い手のマッチングさせる性質があるため、より早い売却成功が望めるのです。

編集チームまとめ

自分の会社を売却しようとしている経営者など、売り手側の売却ニーズを起点とするM&Aでは、最初にM&Aアドバイザーが売り手に雇われ、利益の最大化を目指します

しかし、M&A仲介業者に依頼した場合、売り手と買い手どちらか一方ではなく、両者の利益の中間で妥協点を探ることになります。

どちらに依頼するのが正解ということではありませんので、自社の目的にふさわしい会社を選ぶことが重要となります。

事業承継にあたっての
アドバイザリーと仲介の違い

【ニ-ズ別】事業会社におすすめの
アドバイザリー会社3選

このサイトではアドバイザリーサービスに注力している会社を調査。買い手候補が多い、海外企業との取引、セカンドオピニオンの3つのニーズにおいて、それぞれおすすめのアドバイザリー会社をご紹介します。

多くの買い手候補を
視野に入れたい
プルータス・マネジメント
アドバイザリー
プルータス・マネジメントアドバイザリー
引用元:プルータス・マネジメントアドバイザリー
公式HP(https://plutusmaad.jp/)
アドバイザリー
サービスの特徴

株式価値評価の専門機関を親会社に持つことから、より適正な金額での売却を可能にする同社。
年間株式評価実績1,000件以上の実績と、数千社以上の買い手企業のリストを活用しながら、売却成功を目指します。

海外企業との取引も
視野に入れたい
G-FAS
G-FAS
引用元:G-FAS公式HP
(https://gcafas.com/jp/)
アドバイザリー
サービスの特徴

G-FASは欧米、アジアを中心とした業務パートナーとのネットワークを活用し、今後飛躍的な増加が予想される外国企業の買収をサポートします。海外企業の買収時はスタッフが現地に赴くことで、五感を駆使した生の情報をクライアントに届けます。

セカンドオピニオンも
視野に入れたい
マクサス・コーポレート
アドバイザリー
マクサス・コーポレートアドバイザリー
引用元:マクサス・コーポレートアドバイザリー
公式HP(https://maxus.co.jp/)
アドバイザリー
サービスの特徴

中規模サイズの案件を中心にサポートを行うマクサス・コーポレートアドバイザリー。相談先の規模や専門性といった問題を抱える企業に寄り添うべく、中規模サイズのM&Aを専門領域とし、中立公平な目線をもったセカンドオピニオンにも対応しています。

※選定条件
Google検索「事業承継アドバイザリー」でヒットした50社のうち、下記の条件を満たす3社を選定。(2024年4月時点)
※仲介ではなくアドバイザリーサービスを専門に行っている
※公式HPにM&A取引事例の記載がある
※2024年第1四半期 M&A市場リーグテーブル(日本企業関連 中規模市場 公表案件)にランクインしている
かつ、選定した3社をそれぞれニーズ別に紹介しています。

・多くの買い手候補を視野に入れたい(公式HPに買い手リスト件数の記載があり、1000件以上と最も多い):プルータス・マネジメントアドバイザリー
参照元:https://www.plutuscon.jp/services/2568
・海外企業との取引も視野に入れたい(クロスボーダー案件にも対応していると公式HPに記載があり、海外企業とのM&A事例が掲載されている):G-FAS
参照元:https://gcafas.com/jp/%e5%ae%9f%e7%b8%be/
・セカンドオピニオンも視野に入れたい(セカンドオピニオンサービスも行っていると公式HPに明記されている):マクサス・コーポレートアドバイザリー
参照元:https://maxus.co.jp/succession#bs-01